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卒研発表会
今年の学科全体の卒研発表会は口頭発表無しで全員ポスターだった。

今年の卒研生は、みんなしっかり実験して結果を出していたものの、うまくまとめられるかがなかなか心配だった。
毎年のことだけど、うちの研究室は数少ない物質について長いこと研究してきた歴史があるので、その長い歴史をふまえてイントロを構成して、自分の結果までつなげるのが難しい部分があると思う。

前日までは結構細かくコメントして、けっこう厳しく言った部分もあったのだけど、当日の朝聞いてみたら、ある程度要点を押さえた発表ができるようになってきていた。あとは実際にしゃべってみて感覚をつかんでいけば大丈夫かなという感じ。

実際にポスター発表が始まると、会場にはうちの学生さん達の声がバリバリ響いていて、みんなしっかりと発表できているようだった。嬉しい限り。(「三角格子がー」とか、しゃべってるフレーズが特徴的だから、遠くで聞いても、すぐうちの学生だとわかるという点もあるけど。)

あとで感想を聞いてみたら「面白かった」という声がいくつか聞かれたのが良かった。自分の研究を他の研究室の学生や先生方に聞いてもらって、それに対してコメントをもらったり内容について議論することを「面白い」と思えるのは凄いことだと思う。まず結果がたくさんあるということと、それを自分の中でしっかり消化して理解すること、その二つがないとなかなか面白いという所まではいけない。
「疲れた」とか「キツかった」というコメントは割と少なくて、各自が卒研発表の機会を楽しめたのは指導した側としても非常に嬉しい。

実際、今年の卒研生達の充実した発表を見て、来年うちの研究室に入りたいと言ってくれた三年生が何人も居たみたい。素晴らしい。自分はこの3月で研究室を出てしまうけど、来年度の学生さんにも今年と同じくらい頑張って、最後に楽しかったと思える発表をしてもらいたいな。


発表後は研究室に戻ってきて、みんなのポスターを貼った棚の前にそろって記念撮影。
毎年卒研発表が終わった辺りで研究室の集合写真を撮って研究室の壁に貼ってあるのだけど、学生さんから「今年で先生(←僕のこと)も最後ですね」と言われて感慨深かった。その写真の一群の中には20代前半から今までの自分が写っている。こうして見ると結構な年月だなぁ。

まぁ、まだ今の所属で書かなきゃいけない論文も残ってるし、学会もあるし、感傷的になるにはまだ早いか。
by nt-neutron | 2014-02-26 23:52 | 研究日誌 | Comments(0)
修論発表会
今日は所属する物理学専攻の修論発表会だった。

まずは午前中に、これまで共同研究してきたS研の院生君2人の発表があった。

この共同研究を始めたのはちょうど二年前くらいだった。まずは助教の先生との共同研究として始まり、その後、新しい年度になってから、当時M1になったばかりの彼らが加わったのだった。

最初は彼らもなかなか大変そうで、助教の先生の後ろをついて行っている感じだったんだけど、実験を繰り返して、合同ゼミの機会を持って、実験のまとめを何度か書いてもらって、その度に成長してきたように思う。(特につくばへの出張実験はやはり一つのターニングポイントだったなぁ。)

今日の発表を聞く限りだと、レベルの高い学会発表を聞いているような感じで、研究者として立派に自立しているような雰囲気が感じられた。S研の助教の先生も、涙が出そうだったと言ってたけど、僕も同感。 


午後はうちの研究室のM2の発表。
D進する学生を集めた最後のセッションでの発表だった。発表は前日に聴いて、まぁ大丈夫だろうなと思っていて、実際当日も堂々と発表できていた(本人はめっちゃ震えてましたと言ってたけど、そんな風には感じられなかったなぁ。すごく洗練された、良い発表だった。)
ハイライトは質疑応答。D進の学生は発表時間も質問時間も少し長めに取ってあり、教授陣も教室にそろっているのでがんがん質問してくるのだけど、それらの質問を「かわす」ことなく、しっかりと正面から受け答えできていたのが良かった。

発表は繰り返し練習していけば、ある程度は上手くなることは保証されているようなところがある。(もちろん本人の努力と意識が無いと、上達しないけど)それに対して、質疑応答は、反復練習だけではどうにもならない、本人自身がどれだけその物理を理解しているかが問われるところがあると思う。
学会でも、発表はお手本のような素晴らしいできなのだけど、ディスカッションになって、質問者とまったく噛み合ないという学生さんを時々見かける。

まぁもちろん事前にある程度質問対策はしておくのだけど、それでも、当日その場で、質問者の意図を汲み取って、それに対して答えるというのは付け焼刃でできる物じゃないと思う。それが出来ていた今回のM2君は素晴らしかったと思う。


つぎは卒研発表、その次は学会か。そしてその間に仕上げなきゃいけない書き物がたくさん。。結構切羽詰まってきたな。。
by nt-neutron | 2014-02-17 23:33 | 研究日誌 | Comments(0)
引っ越し
4月からのR研への着任より一足先に、R研近くへと引っ越した。

今の大学へはここからでも十分通えるので(というかむしろ近くなった)、早めに引っ越してしまおうという作戦。

引っ越しは結構大変かなぁと思っていたのだけど、これまでの研究生活でやたらと出張に行きまくったせいで荷物をまとめるのが上手くなったのか、割とさくっと終わってしまった。拍子抜けするくらい。

新しい家は、前の家と部屋の広さも似たようなもんで、家具の配置もほぼ同じだから、カーテンを閉めると引っ越したことを忘れてしまうくらい。


大学の方は修論、卒論発表会が迫ってきて慌ただしくなってきた。発表練習を見る機会も増えてきたのだけど、これまで長いこと見てきた学生さんもここに来てぐっと成長のスピードが上がってきている感がある。

うちのボスがいつも口癖のように「学生の成長は指数関数的」って言っているけど、そのニュアンスは分かる気がする。もちろん実際のところは修論に向けて追い込みをかけてることが大きいのだけど、成長するほどに成長スピードが上がってきている感があって、非常に頼もしい限り。
あとは当日の発表でその力が十分発揮できると良いな。発表を聞けるのが楽しみだ。


自分の方は合間の時間を縫って、今の研究室を出るにあたって、たまったデータを大急ぎで論文化したり、来年度以降の外部施設での実験の機会を得るべくプロポーザルを書いたりしている。
少しチャレンジングな実験を考えているのだけど、何とかプロポーザルが通ると良いな。やはり実験屋としてはいつも少しずつ新しいことにチャレンジしないとね。先が読めてしまうような実験では楽しくないのだ。
by nt-neutron | 2014-02-16 00:50 | 研究日誌 | Comments(0)
グローバル

都内某大学准教授のyoshi先生が「グローバル化と教養」という記事を書いているのを読んだ。

yoshi先生の意見にものすごく賛成。僕も個人的に、最近の風潮として、なんでもかんでも英語を導入したり、海外の大学との学生の行き来を増やしてグローバル化だって言い張って、けっきょくそれは何が目的でやってんだかって感じのところがあると思ってた。(もちろん、しっかり目的をもって英語教育に取り組む事は大切だと思うので、一概にぜんぶ、、という訳ではなくて、あまり目的意識を感じられない、お題目先行のグローバル化ってのに違和感があるのだけど。)

特に
大学が取り組むべきグローバル化は、『教養(一般的および専門的な基礎学力も含む)を身につけた』学生を国際的に活躍できる人材に育て上げることだと思う。
という点は本当にそうだなぁと思って、うんうんと頷いてしまった。

僕は特に「国際的に活躍出来る人材に育て上げる」って言うところに凄く共感するものがある。目的はそうゆうことなんだよなぁ、と。英語教育に力を入れる事も、その辺を目標にしての取り組みであれば凄く意味があると思うのだけど、なんだかグローバル化のかけ声ばかりが先走って、大学という場所を「グローバルな」場所にすればとりあえずオーケーみたいな本末転倒な考えもどっかで聞かれたりする。そんなの、上位力士が外人ばかりになった大相撲を指して、グローバル化って言うようなもんじゃないかな。(ちょっと例えがちがうか。。)


グローバル化という言葉を聞くたびに、僕は最近の海外で活躍している野球やサッカーの選手の事を思い浮かべる。
しっかりした実力を持つ若者が育って、世界を舞台に活躍するようになる。それが一人だけでなく、何人も続くようになって、その結果、他の選手が、あるいは日本の競技集団が世界から注目を集めるようになり、世界レベルの人材も集まるようになる。グローバル化を叫ぶからには、それぐらいの理想を掲げるのが必要なのじゃないかとおもう。


じゃぁグローバル化に向けて何か取り組みましょうと言った時に、まず大事なのはしっかりとした人材を育てることなんだけど、それって地味だし、グローバル化云々は抜きにして、常に目指すべき当たり前のことでもあるし、目新しさが無い。
だから、、かは分からないけど、目新しさと外向けのアピールのような「大学自体のグローバル化(過剰な英語押しだったり、外国人教員の比率がどうとか)」があちこちから聞かれるようになったんじゃないかなと思う。


自分が大学教員(の一番下っ端)になってみてやはり感じるけど、大学の先生方は本当に忙しそう。それに資金も十分とは言えなかったり、規則も増えたりですごく苦労しているんだなぁと思う。
そんな中で、やはり、一番大事な「実力のある人材を育てる」ところが置き去りにされてないかなと、ふと不安になる。


一方で、例えば自分が何らかの責任ある立場に立たされて、「グローバル化について、なんとかしろ」と命じられたら、何か目に見えたり、数字で表せるような目標を立てちゃう気持ちも想像出来る。(^^;
まぁ自分みたいな下っ端が文句言うのは簡単なのだけど、じゃぁどうするんだと言われると、なかなか名案は出てこないのだけど。。

yoshi先生の記事にも「今やるべきことは何かを教育関係者は立ち止まって考えた方がいい。」とあるのだけど、自分がやるべきことを考えると、やはり自分が関わる教育の部分と、自分自身が世界に向けて発信できるような研究をすることかなぁと思う。言うは易く、、、なんだけど、まぁ、めげずに頑張ろう。
by nt-neutron | 2014-02-06 01:11 | 研究日誌 | Comments(2)
江沢洋先生の講演会「ボーアの原子模型:革命からの百年」
学習院の江沢洋先生の講演会「ボーアの原子模型:革命からの百年」を聴きに行ってきた。
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内容は、ボーアがいかにして水素原子の模型、いわゆるボーア模型に行き着いたのかと、それが当時の物理学者達の間でどのように批判され、最終的には受け入れられて信頼を勝ち取って行ったのか、そしてその後の量子力学の発展に結びついて行ったのかの物語だった。

江沢先生の教科書はいくつも読んできたし、授業でも使ってきたのだけど、講演を聴くのは初めてだった。
教科書を読んできた時にも感じていたのだけど、今回の講演を聴いてさらに確信に至ったのは、江沢先生の語り口は、当時の物理学者達の考えを血の通ったストーリーとして聴かせてくれるところに凄さがあるということ。
僕らはその物語を通して、当時の物理学者と一緒に悩んだり、感動したりする事が出来るから、より心に残って理解出来るのだと思った。もちろん物理の本質を一段高いところから見渡して、物理の専門的な意味で大事な部分を明快に示してくれるのも素晴らしかった。
当時の物理学者の考え方を振り返りながらも、一方では現代の視点に立って、なぜこの現象・題材(例えば水素原子)からこの物理法則が確立されて来たのかを紐解くのは非常に聞いていてワクワクする。そこから出てきたのは「自然は教育的」というフレーズ。まさに名言だと思う。
江沢先生の教科書の文章を読んでいて感じた引き込まれるような魅力を、生で感じる事が出来たのが本当に嬉しかった。

思えば僕はいつも実験の授業で、江沢先生の力学の本から借りてきた説明を学生達にしゃべったりしているし、秋頃にうちのボスの代講で1年生に電磁気学入門の講義をした時には、江沢先生の相対論の本から借りてきた「光(電磁波)の研究の歴史」をしゃべったりしたのだけど、江沢先生本人の話を生で聞くと、ひと味もふた味も違うというか、本以上に伝わってくる魅力があった。
いつか自分も学生を引き込めるようなトークが出来るようになりたい、そんなふうに目標を持てたことも収穫だった。頑張ろう。


それと、最後の質疑応答の時間には、前から気になっていた「江沢先生の先生に会った話」を江沢先生本人に聞く事が出来た。
リンク先の昔の日記にも書いてあるけど、僕がD1の頃、電車の中で世間話をしたおじいさんが、実は江沢先生が高校生だった時の化学の先生で、当時高校生だった江沢青年がどれだけ優秀だったかを聞かせてもらったのだった。

7年近くたって、江沢先生の講演会で質問出来る機会が来るとは思っても見なかった。
そのおじいさん(江沢先生の先生)によると、高校生の江沢青年は自由課題のレポートで「原子の構造について」というテーマで非常にレベルの高いレポートを書いてきて、それをみた先生が、授業時間を5コマあげて、江沢青年がそのレポートの内容で授業をしたということ。まず江沢先生に「この話は本当ですか?」ということと、「そのときのレポート(授業)はどんな内容だったんですか?」という事を聞いてみた。
答えは、まず僕がおじいさんから聞いた話は本当で、高校生だった江沢青年が、まさに今日の講演会のテーマでもある「原子の構造」についてレポートにまとめたという事でした。内容も今日の講演で話されたような量子化条件を用いた本格的なものだったそうです。講演会を最後まで聞いて、これだけの話が出来る人だから高校生の頃から凄かったろうなぁと想像したり。

で、その話には実は後日談があって、高校生の江沢先生が書いたその「原子の構造について」のレポートは、その化学の先生が後進に読ませていたらしいのだけど、そのレポートを非常に愛読していた後進の方(?)に不幸があり、その時に本人が生前大事にしていた物の一つとして、レポートもお棺の中におさめられたとの事でした。今では存在していない幻のレポート、読んでみたかったな。


2時から始まって、会場は満員御礼、質疑応答まで含めて終わったのが4時半過ぎ。なんだかあっという間の時間だった。

素晴らしい講演をして頂き、質問にも答えていただいた江沢先生、ありがとうございました。
by nt-neutron | 2014-02-01 18:52 | 研究日誌 | Comments(0)


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某私大で助教を4年間勤めたあと、現在はR研でポスドク。専門は磁性・中性子散乱。
by nt-neutron
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